「社会や人の役に立つ人間になろう」
とても崇高で素晴らしい考え方だと思います。
社会貢献をすることで、巡り巡って自分も幸せになる。
文字通り、香水を相手に振りかければ自分にもいくらか掛かるというもの。
その考え方自体私は否定しません。
「社会や人の役に立つ」の前提意識
ただここで注意したいのが、「社会や人の役に立つ人間になりたい」という心の底にどのような前提意識があるかどうかです。
社会貢献をしたいという前提に「社会貢献をしない自分なんて価値がない」という意識があると、「自分には価値がない」という未来がやってきます。
自分には価値がないから、社会の役に立って価値ある人間になりたいという発想だと、上手く行きません。
なぜなら、あなたがフォーカスしているのは「自分には価値がない」ということだからです。
これからも「自分には価値がない」と感じるような未来を引き寄せてしまいます。
そしてまた「世のため人のため」と言ってあれこれ行動し負のループから抜け出せなくなるのです。
私はこの負のループにどっぷりハマっていた時期がありました。
「とにかく良い人間になろう。そして人の役に立つ人間になろう」
それを意識していました。
でもその根底にいつも感じていたこと。
それは「自分には価値がない」
だから誰か人の役に立って自分の価値を上げたい。
そればかり考えていました。
人の役に立とうと考えること自体が悪いことではありません。
その前提意識が「自分には価値がない」というものだと何もかも上手く行かないようにできているのです。
引き寄せの法則はここでもきちんと発動しているのです。
あなたはそのままで素晴らしい
そんな逆引き寄せを発動して、暗闇でもがいていた時期に出会った言葉があります。
その言葉は私を救ってくれました。
それは、
「あなたはそのままで素晴らしい」
ありふれた何気ない言葉ですが、何者かになろうとして苦しんでいた時期に私の胸に刺さりました。
「人の役に立たない自分には価値がない」
そんな自分に「そのままでいい」という言葉はズシリときました。
ダメでもいい。
嘘つきでもいい。
たまに人を裏切ってもいい。
ネガティブなことを考えてもいい。
くそったれな性格でもいい。
怠け者でもいい。
たまに約束を破ってもいい。
大きく人を傷つけた過去があってもいい。
どんな自分でもいい。
ありのままでいい。
「そんな自分も受け入れよう」
そう思った時に心がとても軽くなったのを覚えています。
人は本来自分が満たされていないと他人を満たそうという気持ちになれません。
でもそれを「~しなければならない」という発想から「人の役に立たなければならない」とついつい思ってしまいがちです。
なぜなら、私たちは昔から親や周囲の大人から「人の役に立たないとダメだよ」と教えられてきたから。
だから真面目な人ほど自分が満たされていなくても「人の役に立ちたい」と思うのです。
本来の流れとしては、まず自分が自分を満たす。
満たされた心のコップから溢れ出す幸せを他人におすそ分けをする。
この流れだと思います。
満たされていない心のコップのまま他人を満たそうとすると必ず心に無理が生じます。
結果として自分も他人も満たせないことになります。
そう、あなたはあなた自身を満たすことに精いっぱいで良いのです。
誰にも遠慮する必要はないし、思う存分自分を満たしてあげることです。
誰にも貢献していなくたって、誰かの役に立っていなくたって、あなたはそのままで素晴らしい。
あなたは存在するだけで人の役に立っている
いや、もっと言えば、本当は存在するだけであなたは人の役に立っている。
あなたがこの文章を読んでくれたら私は幸せですし、今後の執筆活動により精が出ます。
それだけで私に貢献しています。
食べ物を買ったら、生産者や販売者、そしてその家族の生活を支えていることになります。
電気やガスを使ったら、電力会社やガス会社、そしてその家族に貢献していることになります。
スマホを使ったら・・・
電車を使ったら・・・
YouTubeを見たら・・・
あなたが何気なくしていることのすべてが必ず誰かの役に立っているのです。
もちろん、ビルゲイツや孫正義のように、多くの人に影響力があって、大きな社会貢献ができたら、それはそれで素晴らしいですが。
でも宇宙の大きさからしたら、1兆円動かす大事業を行うのも、チロルチョコを買うのも大差ありません。
誤差でしかありません。
あなたは何一つ貢献していないと思っていても、あなたが存在するだけでちゃんと貢献しているのです。
だから無理をして社会に貢献しようとしなくていい。
それは誤差の範囲内だから。
それよりもまず自分を満たすこと。
自分をとことん満たしていれば、あなたから溢れ出す幸せがいつか誰かを幸せにするでしょう。
「究極の自己中(エゴ)は究極のエコ」と言います。
あなたが自分を満たせば満たすほど、他の誰かを結果的に幸せにするのです。
大丈夫。そのままでいい。
あなたがそのままの自分の素晴らしさに気付き、ありのままの自分を愛せるようになれることを心から願っています。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。